【完】俺のこと、好きでしょ?


「寝ぼけてるならなんでもアリだよな」

「……なんでもはナシだよね」

柊真くんのこと、もっとたくさん知りたい。


だから、たくさん話をしよう。


中学生の時から知り合いだけど、お互い自分の話はしてこなかったもんね。


「一つ、気になること聞いていい?」

「うん、なに?」

「奈帆は将来の夢あるの?」

……さっき、柊真くんのことは聞いた。

でも、わたしの話はしなかったもんね。


「わたしは、正直に言うとねまだ全然決まってないんだ。自分のやりたいことも曖昧で、柊真くんみたいに目指してる大学もない」


進路をしっかりと決めてる柊真くんに、何も決まっていない自分の話をすることに抵抗がないと言えば噓になるけど、ちゃんと自分の言葉で伝えなきゃ。


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