【完】俺のこと、好きでしょ?
「でも、今日も来るんでしょ?」
「……うん」
「敵なのにね〜」
「面白がらないでよ」
愛子の言う“来る”とは、藤くんがうちに来るということ。
週3回の放課後、月曜日と水曜日と土曜日に藤くんはわたしの家に“家庭教師”として来る。
どうしてこんなことになったのか説明すると、わたしのお母さんと藤くんのお母さんは近所のスーパーで働くパートさん。
お母さんはわたしが高校1年生の12月にパートを始めた。藤くんのお母さんはそれよりも前から働いていたらしい。
そのスーパーで出会ったわたしのお母さんと藤くんのお母さん。わたしの成績があまり良くない話をすると、藤くんのお母さんが藤くんを貸してあげると提案してくれたらしい。