【完】俺のこと、好きでしょ?




「職員室に持って行ってくるから帰ってていいよ」


頼まれていた作業を全て終えて、教室のドアの鍵をしっかりと閉めて、わたしは1人で職員室に向かった。


何か言いたげな藤くんの表情にわたしはまた、気付いてないフリをした。


わたし達の教室から職員室までは少し遠くて、『1人で持っていく』と言ったもののクラス全員分のプリントは量が多くて重さはないものの持ちにくい。

カバンも持ってるから、滑りそう……

なんて思った矢先、

「あ…」

スルッと掌(てのひら)の上に載せていたプリントが大きな音を立てて滑り落ちた。


せっかくプリントの向きまで揃えてたのに。


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