【完】俺のこと、好きでしょ?
落ちたプリントを拾おうとしたら、
「何やってんの?バカだね…」
そんな言葉と共に、横からスッと手が伸びてきた。
そこには、帰ったと思った藤くんが呆れた顔をしてわたしを見てて「早く拾え」と声をかける。
なんで帰ってないの?
「帰ったんじゃなかったの?」
確かにさっき、藤くんは角を曲がって姿を消したのに。
わたしが大きい声を出していればまだ分かったかもしれない。でも、小さく声を漏らしただけで大きい声は出してないはずだ。
「無理して持ってるの分かってたし。変に強がって持って行くよとか言うからムカついたからほんとに帰ろうとしたけど戻ってきてよかった」
「ごめん、藤くん……」