【完】俺のこと、好きでしょ?
「なんで謝んの?」
「わたし何も出来てないから…」
藤くんが教室を開けた間もわたしは、あんまり作業を進めることが出来てなくて、藤くんが戻ってきてからもあまり出来てない。
ほとんど藤くんがやってくれたもので、運ぶことすらまともに出来ないなんて。
「別に出来ないことがダメなんじゃない。出来る出来ないを俺はとやかく言うつもりもないし、それについては何も思わないよ。
でも、出来ないならちゃんと出来ないって言って。俺はそれを助けたいから」
ズルイと思った。
ただ、ただ、藤くんのことをズルイと思った。