【完】俺のこと、好きでしょ?


「怒ってる!止まなかったら濡れて帰るよ。もう暖かいし、風邪ひく心配もないと思うからね」

「黙って甘えとけば?
変なところで気使う必要ないから」

「……藤くんは、卑怯だ」

意地悪なら意地悪なままでいてよ。

下手に優しさなんて見せないで?

「濡れたって怒らないでよ?」

「そんなんで怒るわけないじゃん。行くよ」

結局、わたしは藤くんにお世話になってしまった。





今、わたしは藤くんと世の中でいう、相合傘というものをしているわけですが恥ずかしい!


近いし、肩あたりそうだし、藤くん多分濡れてる。なのに、彼は文句の一つも言わない。


いつもみたいに意地悪なこと言ってくれたらいいのに。そうすれば、わたしはこんなにもドキドキしなくてすむ。


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