【完】俺のこと、好きでしょ?
*
「はい、ありがとう。じゃ、また」
「え、ちょっと藤くん!?」
藤くんの反応は想像してたものとは違って、笑顔で荷物を受け取り、わたしを避けるように玄関のドアを閉めた。
いや、正確には閉めようとした。
藤くんがドアを閉めれなかったのはわたしがそれを防いだから。だって、笑ってるけど辛そうなんだもん。
「なに?」
「なに、じゃないよ。家に入れて下さい」
「無理。帰れ」
さっきの作り笑いとは一変、無表情になって「帰れ」と言う。
「嫌だ、帰らない。辛いなら辛いって言いなよ」
「辛くないんだから言わなくていいだろ」
1回目を閉じて言った。
「嘘だよ。はい、お邪魔します」
無理やりドアをこじ開けて、家の中に入った。