【完】俺のこと、好きでしょ?





「はい、ありがとう。じゃ、また」

「え、ちょっと藤くん!?」

藤くんの反応は想像してたものとは違って、笑顔で荷物を受け取り、わたしを避けるように玄関のドアを閉めた。


いや、正確には閉めようとした。


藤くんがドアを閉めれなかったのはわたしがそれを防いだから。だって、笑ってるけど辛そうなんだもん。


「なに?」

「なに、じゃないよ。家に入れて下さい」

「無理。帰れ」

さっきの作り笑いとは一変、無表情になって「帰れ」と言う。

「嫌だ、帰らない。辛いなら辛いって言いなよ」

「辛くないんだから言わなくていいだろ」

1回目を閉じて言った。

「嘘だよ。はい、お邪魔します」

無理やりドアをこじ開けて、家の中に入った。

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