【完】俺のこと、好きでしょ?


「ちょっ…、迷惑なんだけど」

「迷惑だとしても、わたしのせいで藤くんが風邪ひいたんだから、少しくらい看病させてよ…」

「別にお前のせいじゃないし」

「雨に濡れたからでしょ?わたしのせいじゃん。色々準備するから藤くんは部屋に戻ってて」

わたしは藤くんから荷物をもう1度渡してもらい、お母さんが作ってくれたお粥を温めて、薬と水を準備して藤くんの部屋に向かった。


「失礼します…」

2度ほどドアを軽く叩き、少し隙間を開けて中を覗き込んだ。


「入ってもいい?」

ベッドの上に座ってる藤くんと目が合って尋ねると、心底嫌そうな顔をして

「ダメって言っても入ってくるんだろ。勝手にしろ」

冷たい言葉が返ってきたので遠慮せずに部屋に入った。

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