【完】俺のこと、好きでしょ?


そんな冷たい言い方しなくてもいいのに。

「これ食べて、その後に薬飲んでね」

「分かった」

「あ、コップ忘れたから取ってくるね。
食べてていいからね」


藤くんの部屋から出て、小さくため息をつく。

やっぱり、わたしは来ない方が良かったんじゃないかな。藤くん、すごい迷惑そうにするし、お母さんが来た方がよかったのかもしれない。


しかも怒ってるから、それで疲れて熱上がっちゃったらどうしよう。


そんなこと言ったら、また怒られそうだから言わないけど。


色々考えてたら、コップを取りに行くだけなのに結構時間が経ってしまった。

もう食べ終えてるかもしれない。

「ごめん、遅くな…あ、寝てる」

お粥はもう全部なくなってて、藤くんは寝ていた。

食べたあとで寝たら太っちゃうよ。

なんて思いながら、笑ってしまった。

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