【完】俺のこと、好きでしょ?
「藤くんのバカ……っ」
腰に回された手を振り解けなくて、わたしは彼の胸に顔を埋めて呟いた。
無理だったんだ、彼を好きにならないことなんて。
あんなにも、こんなにも、好きな彼のことを忘れるなんて最初から無理な話だったんだ。
「うっ…うぅ…」
好きで、藤くんのことが大好きなのに、彼はわたしのことは好きにならない。それが分かってるから、泣いてしまう。
わたしの気持ちを全否定した彼に、好きになってもらうためにはどうすればいいのかな?
「藤くん、起きて?わたし、帰るから」
早く帰ろう。これ以上、ここにいちゃダメだ。