【完】俺のこと、好きでしょ?
「よ、依田くん?」
神社の奥に少しずつ足をふり入れるわたし達。
依田くんの1歩はすごい小さくて、名前を呼んでも返事がない。
そんな時
「わぁ!!」
草陰誰かが、現れた。
「ぎゃぁぁああ」
大きな叫び声を上げて、私の手をとり走り出す依田くん。
「依田くん!と、止まって!」
ゴールは道なりに行けば着くのに、依田くんは暴走してるせいでその道から外れている。
「…ここ、どこ」
彼が落ち着いた時にはもう時すでに遅し。
自分のいるところが分からなくなっていた。
暗くてあんまり来ない神社だから……。
「ごめん、桃里さん!俺、思ったより苦手だったわ」
うん、
苦手だったわ。じゃないよね。
「とりあえず歩いてみよ?」
「ほんと、ごめん」
怒りたかったけど、怒ったところでみんなの所に帰れるとは限らない。
怒って体力を消費するくらいなら道探して歩いて体力を消費する方がマジだ。
2人で頑張ろうと思っていた時だった。
「きゃー!!」
多分、どこかでお化け役の子が女の子を驚かしたんだろう。声が聞こえてきた。