最期の時間を君と共に
日はすっかり暮れ、ゆずきはもううとうとしている。ゆずきははしゃぎすぎだ……ったく。

「ゆずき、帰んぞ」

「うんー……」

黙って帰る。静かな空気が俺らを包む。心地よい。

「じゃあな、ゆずき」

「うん、ばいばい……」

ゆずきに手を振りながら、片方の手でドアを開ける。バタバタとスリッパの足音。母さんだろう。

「おかえりなさい!今日は誓の好きなグラタンよ」

「ただいま。やった」
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