最期の時間を君と共に

「……ごめんね、はーくん」

ぎゅっと胸が押し潰される。友達としては好きなんだけど……。

「誓が好きなんでしょ」

「……っ」

「ゆーちゃんのこと見てたら分かるよ。本当は告白しないつもりだったんだけど。……ごめんな」

「私こそ、ごめんね」

大丈夫だから、とはーくんは背を向けた。

「誘っといて悪いんだけど。一緒に教室まで行けない。1人で行ってくれるかな……、ごめん」

声が震えてきている。私のせいだ。私の……。でも、ここではーくんに手を差し伸べるのが正しい判断だろうか。思わせぶりな態度はかえって相手を傷つけないだろうか。

「わかった……」

私ははーくんの言うとおり、その場を去った。