最期の時間を君と共に

誓と俺 ―珀side―

振られてしまった。予想はしてたけど。ほんの小さな希望に夢をのせていた。俺って……馬鹿だ。

「情けねぇな……」

最後まで泣かないつもりだったのに。男らしく、ゆーちゃんにバイバイするつもりだったのに。ゆーちゃんが困った顔をしてごめん、と言うものだから、張りつめていた何かがプツンときれて背を向けてしまった。

「誓……」

昨日のこと。

1人で家で過ごしていると、インターホンがなった。めんどくさいな、と思いながらもドアを開けると、誓らしき人が立っている。真剣な顔で。

「よう」
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