最期の時間を君と共に
ざわついていた空気が静まる。俺も、口角の上がった口をきゅっと結んだ。

「いいわけない、けど……。誓は言うべきだし、聞くべきだから。……応援してる自分もいるし」

嫌なくせに、応援してる。意味が分からないかもしれない。俺も分からない。でも、誓なら。きっと分かってくれるはず。俺をちゃんと見てきてくれたから。

「……ありがとう」

「おう」

分かってくれたのか、空気が和らいだ。居心地の良い空気。俺たちが創り出した空気。もう、味わえないかもしれない空気。

「あー……やばい、泣きそう」
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