最期の時間を君と共に
私の想い ―遥side―
「あっ、先輩……!忘れ物したので、取りにかえってもいいですかねっ?」
「教室?いいよー!取りにかえりなっ」
「ありがとうございます!」
最悪だー……。唇が荒れている私にとってはリップが命なのに。教室に忘れちゃうなんて。1段飛ばしで階段を駆け登る。大きめの上靴は脱げそうになる。
「あ……、遥」
「ゆずきっ、珍しいね、こんな時間に帰るなんて」
「まぁね」
この時気づいた。ゆずきの笑顔がぎこちない。上っ面だけの、作り笑いだ。
「教室?いいよー!取りにかえりなっ」
「ありがとうございます!」
最悪だー……。唇が荒れている私にとってはリップが命なのに。教室に忘れちゃうなんて。1段飛ばしで階段を駆け登る。大きめの上靴は脱げそうになる。
「あ……、遥」
「ゆずきっ、珍しいね、こんな時間に帰るなんて」
「まぁね」
この時気づいた。ゆずきの笑顔がぎこちない。上っ面だけの、作り笑いだ。