最期の時間を君と共に
「ありがとう。私のお気に入りなの……、そう言ってくれて嬉しい」

「うんっ、早くしないとチャイムなっちゃう。急ごう!……また話そうね!」

“また話そう”仲良くなりたいと思っていた彼女からの約束。嬉しい。また話せるんだ……!

「待てよ、ゆずきー!」

後ろから叫ぶ声が聞こえる。ゆずきちゃんを呼ぶ声。彼の名前は、夕崎 誓くん。確か、ゆずきちゃんの幼馴染。

「やだよー、待たないから!」

運動神経の良いゆずきちゃんは、軽く1段飛ばしをして先に行く。すごいなぁ……。チャイムのことなんて、すっかり忘れていた。
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