最期の時間を君と共に
「遥ちゃん、おはよ」

朝、ランドセルから教科書を取り出していると、昨日言った通り、話しかけてきてくれた。

「お、おはよう!」

「元気だねー、遥ちゃんは」

くすくす、同じ3年生には思えない、大人びた笑い。ここで、改めて遠い人だと感じさせられた。

「ねぇねぇ、廊下で話さない?涼しくて気持ちいいからさ」

「うん、話すっ」

ゆずきちゃんの少し後ろを歩いていると、彼女は私の肩を後ろから前に押した。

「隣歩いてよー」

「あっ……ごめん」
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