最期の時間を君と共に
「はじめまして!誓の幼馴染の深山 ゆずきです!気軽にゆずきって呼んで、よろしくね」

真正面から彼女をみたのは、はじめて。結構整った顔立ちをしており、笑った顔が印象に残る子だった。

「俺は、碓氷 珀。珀って呼んで。よろしく。あのさ、ゆずきって従兄弟と被るから、“ゆーちゃん”って呼んでいい?」

つい、いつもの癖で右手を出してしまう。男子と握手とか嫌だよな、と手を引こうとすると、ぎゅっと握られた。

「うん、よろしくねー!ぜひ、ゆーちゃんで。私は、“はーくん”って呼ぶね」

太陽だと思った。真っ白な、穢したくない笑顔。それとは反対に、冷たい彼女の手。俺の手も、冷たくなっていくような。そんな感じがした。
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