最期の時間を君と共に
「……」
あっという間に帰る時間になる。ゆずきは昼休みに帰っていった。誓が教室に迎えに来てくれ、冷やかされながら、やっとの思いで帰路に就く。案の定、無言の時間が続く。なんとも居心地の悪い。喋りかけたいが、1歩前を行く誓に届くか不安で今に至る。もうすぐ家だ、そう思ったとき、やっと無言の時間から開放された。
「ゆずきのこと、好き?」
「は……?」
口を開いたかと思えば、なんて質問をしてくるのだ?
「好きだからいるんじゃん」
「そうとは限らないだろ。利用してるとかさぁ、あるじゃん。要するにな、利用してないよな?って訊いてるんだ」
“利用”。ゆずきも言っていたような。
「してないから」