最期の時間を君と共に
4日目 ―誓side―
「……――誓!誓!」
カンカンカン、異常なほどに高い音と俺を呼ぶ声で目が覚めた。寝ぼけ眼で音の鳴る先を見ると、エプロン姿の片手におたま、もう片方の手にフライパンを持った母さんがいた。
「……かあ、さん?」
「誓!……あ、誓。目覚めたのね?」
そりゃ目覚めるよ。でも、俺が発した言葉に安堵の笑みを浮かべた母さんに、そんなこと言えるはずがない。
「うん……」
「よかったわぁ……。あ、もう少し寝ててもいいわよ。ご飯は今から作りはじめるからねっ」
喋る気力のなくなった俺は頷くだけ。ゆっくりドアを閉め、階段を降りていく音が聞こえる。また目を閉じた。
微睡みの中、夢をみる。俺たちのような男女。徐々に近づいていく。なんと、その男女はゆずきと俺だった。ゆずきはなにか泣き叫んでいる。俺は……薄い。明らかに人間じゃない。もう、逝ってしまったあとのことだろうか。こんな夢、みたくない。強く目を閉じる。夢よ覚めろ、と願いを込めて。
カンカンカン、異常なほどに高い音と俺を呼ぶ声で目が覚めた。寝ぼけ眼で音の鳴る先を見ると、エプロン姿の片手におたま、もう片方の手にフライパンを持った母さんがいた。
「……かあ、さん?」
「誓!……あ、誓。目覚めたのね?」
そりゃ目覚めるよ。でも、俺が発した言葉に安堵の笑みを浮かべた母さんに、そんなこと言えるはずがない。
「うん……」
「よかったわぁ……。あ、もう少し寝ててもいいわよ。ご飯は今から作りはじめるからねっ」
喋る気力のなくなった俺は頷くだけ。ゆっくりドアを閉め、階段を降りていく音が聞こえる。また目を閉じた。
微睡みの中、夢をみる。俺たちのような男女。徐々に近づいていく。なんと、その男女はゆずきと俺だった。ゆずきはなにか泣き叫んでいる。俺は……薄い。明らかに人間じゃない。もう、逝ってしまったあとのことだろうか。こんな夢、みたくない。強く目を閉じる。夢よ覚めろ、と願いを込めて。