最期の時間を君と共に
「はいはい。恋人なんてないっつぅの、幼馴染だぞ?馬鹿じゃねぇの」

「なによ、それー」

不貞腐れる母さん。ゆずきの気持ち、考えろよな。

「ね、ゆずきちゃん。誓いいやつだし、どう?」

なにゆずきに振ってんだよ!俺は思わず立ち上がる。拍子に、コップの中に入っているジュースがゆらゆらと揺れた。

「あっ……、分かんないですよー。無理なんじゃないですかね……」

作り笑いだ。俺、もしかしたらとんだ勘違いをゆずきにさせてしまったのではないか。でも、口を衝いて出た言葉はもう変えることはできない。
そこからしばらく気まずい空気が流れたが、母さんが盛り上げてくれたおかげで助かった。


「ヤヨイさん、ケイさん、あの……よかったらどうぞ!」

帰り際、やっと出来たらしいメッセージカードをゆずきは差し出した。

「可愛いわねぇ」

母さんはいつになくデレデレだ。
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