最期の時間を君と共に
『いや、違うんだ。誓が悪いわけじゃない。微かに希望を抱いてた俺が悪いんだ。わりぃ、もう……どうしたらいいか分からない』

「俺が、悪いんだ。だから、そんな自分を責めないでく――」

『んなことできたらとっくにしてるさ……!ゆずきのあんな顔、見たことあんのか?幼馴染だから、見たことあるかもしれないな。……もう、誓が悪いんだと言えたらいいのに!無理なんだ。誓が、ゆずきを思っていったことだって分かってるから。自分の好きな人を思って……、だから、無理なんだ』

俺が踏み違えてしまったために起きたもの。全ての言葉が消え去って、なにも言えない。

ああ、“完璧”が存在すればいいのに――。

『わりぃな……。また、気持ちがととのってから話すわ』

「……わかった」

すぐにきられた電話。
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