最期の時間を君と共に
「こうやって見るほうが、見やすいかと思いまして……」

機転の利く人なんだと感心したが、これが普通なのか。にしても、本当に似ている。全く一緒、とまではいかない感じがいいな。俺があげたって証が欲しいから、なんてわがままなんだろうか。

「あの、これ……お願いします」

「かしこまりました。では、こちらへ」

レジに案内される。カタカタと打ち終わるのを待つ。

「16800円になります」

普段見る値段とは桁違いだ。少しのダメージを受けるが、なんの為に俺は先月までゆずき達に隠してバイトをしてきたんだ?これの為だろう、と自分の心の中で言い合う。まぁ、バイトのお金だけじゃなくお年玉も混じってるが……。

「丁度お預かりいたします。……レシートのお渡しです。包装をさせて頂きますので、少々お時間を頂きますがよろしいでしょうか?」

「大丈夫です」

「ありがとうございます。では、レジ横でお待ちください」

女の人の指示に従い、レジの横に立つ。
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