最期の時間を君と共に
「――様?……――客様!お客様!」

「……えっ、あ、すみませ……」

「良かったですー……、包装できましたよ」

どうやら夢に浸りすぎていたようだ。ハッとして我に返れば、いつの間にか女の人が隣に立っていた。白い手には小さな紙袋が握られている。

「ありがとうございます」

そう言って受け取ると、女の人は悲しそうに笑った。

「無事に、渡せるといいですね」

……?不思議に思って首を傾げると、女の人は口を塞いだ。

「すみません……、つい。お気になさらないで下さい」

いやいや……、気になるんだけど。あまりにも悲しい顔で、今すぐにでも叫び出しそうな顔で言うんだから。

「……なにか、あったんですか?」

この俺の問いに、女の人は眉を八の字にして悩み込む。暫くの間、沈黙が続く。
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