最期の時間を君と共に
明日までしか生きられない俺だけど。きっとゆずきがこの場所に訪れるから。

「変われないな、誓にそんなこと言われたら」

「テンチョだって、変える気ないんだろ」

あたりめーだ、とテンチョは豪快に笑った。そんなテンチョを横目にトンカツを食べていく。笑い終えたテンチョからの視線が鬱陶しいが、黙々と食べ続ける。テンチョは見ているだけで、一切喋らない。
なんなんだよ……。

「ごちそうさま」

「うぃ。さげるぞー」

目の前のからになった皿がさげられる。口の中にはテンチョの味が残っている。

「テンチョ、今までありがとう」

沼にはまった俺を引き上げてくれたテンチョへ。テンチョの味が残った口で。心の底からのありがとうを。

「なんだぁ、いきなり。ありがとうなんて、似合わねぇやつだな」

くはは、とからかいながら笑ったテンチョ。
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