最期の時間を君と共に
ドキッとした。だって、俺はゆーちゃんの背後にいるんだ。なんで、分かったんだろう。

「ふふ、なんで分かったの……とか思ってるんでしょ。そりゃ、分かるよ。ずっと一緒にいるんだから……ね」

「そ……か」

すく、とゆーちゃんは立った。

「さ……、誓のとこ行く?」

振り向いた彼女の目も鼻も、赤く染まっている。

「……うん」

きぃぃ。音が鳴った先には、誓のお母さん、お父さんがいた。

「あら、珀くんじゃない?来てくれたの……。ありがとうね。誓も喜ぶわぁ」
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