最期の時間を君と共に
窓に映る青い空。澄んでいて、綺麗で、言葉では表しきれないほど。

「……綺麗だよな」

「え?」

「空。……綺麗だよなって」

同じことを思っていたようだ。でも、“どのように”綺麗なのか。細かく細かく砕いていったら、分かれ道ができる。君と私では、見える世界が似ているようで似ていないから。

「……だね」

空の上にはなにが広がってるのかな。分かるわけないのに、分からないからこそ、想像する。あぁなのかな、こうかもしれない、だなんて想像しては打ち消して。無限ループする。それが楽しいの。

「誓はさ……、もうここにいられなくなっちゃうじゃん……。どんな気持ちなの?」

「どんな気持ちか……。別に……変わらない。実感が湧いてないのかもな」

「そうなんだ……」

そんな分からないよね。変な質問しちゃった……。しゅんと肩を落とす。
< 250 / 281 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop