最期の時間を君と共に


「お母さん、ただいま」

「あら、おかえり。早かったの……って、誓くんじゃない!いらっしゃい」

「サユリさん、こんばんは。お邪魔します」

テンチョのお弁当をよく遊んだ公園で食べ、他愛もない話で盛り上がり、記念に写真を撮ったり、誓の行きたいところに行ったりとしていたら、既に5時をまわっていた。そこで、誓が私の家に行きたいということで家に行くと、いつもは暗いのに、今日は明かりがついている。お母さんが早く帰ってきたのだ。私の誕生日だから、早く帰ってきたんだろう。

「あの、これ。よかったら」

誓が差し出したのは、白い箱。さっき、誓が行きたいといっていたケーキ屋さんに行って買ってきたものだ。

「えぇ?いいのにー……、わざわざありがとうね」

「いつもお世話になってますから。……リイチさんのところにいってもいいですか?」

「もちろんよ。喜ぶわぁ」

お母さんは顔の輪郭に手を添えながら笑う。
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