最期の時間を君と共に
「……ゆずきは、リイチさんとサユリさんの子だよな」

「……え?」

なにをいきなり当たり前のことを言い出すのだろう。聞き返したのだが、誓はもう手を合わせていた。
私も手を合わす。私のお父さんだから、こうやってたくさんお話したりするけど、誓はそんなにすることがあるのだろうか。誓からしてみれば、私のお父さんは赤の他人。なにを願って、なにを話しているのだろう。

「リイチさんとサユリさんの子だから、美人なんだろうなって」

「……えっ」

いつの間にか手を合わせ終えていた誓が、私をジッと見つめていた。

「びっくりしたろ」

にしし、といたずらっ子のように笑った。私は真っ赤になった顔を手で覆い隠す。

「もう、思ってもいないこと言わないでよっ……」

「思ってることだから」

「なっ……」

なんなの、なんなの、なんなの!いきなり、いつもは言わないようなことを言い出して!
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