最期の時間を君と共に
「誓くんー、ご飯いつ食べる?」

「いつでもいいですよ」

「そう?なら、今から食べましょ」

お母さんはいつも以上に機嫌がいい。誓がいるからだろうな……。

「ありがとうございます」

「うふふ、いいのよ。ゆずきー!食べるから、早く来なさい」

「うん!」

私も和室のドアを丁寧に閉め、テーブルに向かう。そこには私の好物ばかりが並べられていた。

「さ、座って座って」

表情からして、お母さんが1番楽しそう。

「「いただきます!」」


「うまかったなー」

「いつもより美味しく感じたよ。誓のおかげかな」

ありがとう、と笑うと誓は視線を逸らして頷いた。
ワイワイしながら食べていたら、もう9時近く。私と誓は食べ終わると、私の部屋に来た。

「……ケーキ食べたあとで申し訳ないんだけど、これ」

またもや白い箱が。不思議に思って尋ねると、開けてみてと言われる。
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