最期の時間を君と共に
「これ……!」

去年、お母さんから貰ったネックレスとそっくりだ。あれ……、ハートの数が2つになってる。

「本当に去年は悪かった。ごめん。……去年のあの日から、必ず返そうって決めてたんだよ。ハートが1つから、2つに増えてんのは……、まぁ、俺があげたっつー証拠がほしかったから……だな」

「事故なんだから……、そんなに謝らないで」

あの時、たまたま誓の手が私のネックレスに引っかかってしまった。事故だというのに。ずっと、抱えていたんだ、罪悪感を。

「気にするっつーの。……あと、聞いてほしい」

「……ありがとう、大事にするね。どうしたの?」

ネックレスから視線を外し、誓にうつす。涙はとまって、真っ直ぐに誓を見ることが出来る。

「ちゃんと聞けよ。俺は、ずっとゆずきのことが好きでした。もちろん、今も。……付き合ってとは言わないけど、ゆずきの俺に対する気持ちを聞かせてください」

誓が私のことが好き――?

「ほ……んとに?」

「俺の顔見りゃ分かんだろ、お前なら」
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