最期の時間を君と共に
「どうしたの……?」

「俺はもう死んじまう身さ。どう足掻いたって、決定事項なんだ」

私はこくりと頷く。なにを言うんだろう。さっきまでピンク色だった空気が、悲しいブルー色に変わる。

「俺のことは忘れてくれたらいいからさ。新しい彼と幸せになってくれ」

私は一言一句聞き逃さなかった。だから、溢れていた涙がひいていったんだ。

「なに、言ってんの……?なんで?両思いだったんだよね……?」

唇が震える。声が震える。手が震える。

「……両思いなのは、俺だって嬉しいに決まってる。だけどな、両思いに縛られてほしくねーんだ。両思いだからって、俺たちは付き合えるわけじゃねぇ。分かってるだろ……?だからな、俺は新しい奴と幸せを築いていってほしい。俺に縛られるな」

誓は強く言い放った。私の震えていた全てが止まる。

「……俺からの最後の願いだ」

最後の願い。そう……、叶えてあげなくちゃ。でもね、誓――
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