最期の時間を君と共に
ここは本当に未知の世界。辺りを見渡しても、ただ真っ白なだけ。なにもない。どうやって過ごしていくんだよ……。

「こちらの世界は、皆様がおっしゃる“天国”という場所です。これは理解されてるものかと思います。こちら、天国では誓様が以前過ごされていた世界に必要だった、あるものがございません。それはなんだと思いますか?……1番必要だったと言っても、過言じゃないでしょう」

はぁ……?なんで全然こっちのこと知らない俺に質問してくるんだよ。腹の底にもやがかかる。でも、心優しき俺はちゃんと考える。必要だったもの……?なんだ、それは。……お金か?あぁ、これっぽいな。

「お金だろ」

「あぁ……、そうきましたか。それもそうなんですが……、違うんです」

「はぁ……?」

お金じゃないってか?お金だろと1度思い込んでしまったら、お金しか考えられない。

「分かんねぇよ。なに?」

「時計ですよ。時計がないんです。……時計がないということは、時間がこの世界に存在しないんです」

時間がない……?はてなマーク現れる。

「皆様の感覚で、寝たり、お風呂に入ったり……するんですよ。初めは慣れないかもしれませんが、次第に慣れてこられるかと」
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