最期の時間を君と共に
イライラしながら、ゆずきを見ていると、ゆずきは自分の部屋でポツリ呟いた。
“好きだけど、好きなんだけどね、珀。まだ、誓から離れられないの。こんな私は馬鹿なのかなぁ……。”
と。それを素直に伝えたらいいのによ。と思っていたら、ゆずきは翌日、珀を呼び出した。そして、自分の素直な思いを伝えたのだ。珀はなんていうだろうか……。当事者じゃないくせに、バクバクしていく心臓。珀からの返事はオッケーだった。
“うん。誓を好きでいようと、構わないよ。俺を好きでいてくれるのなら、全然。……こんな俺を、彼氏にしてもいいんですか?”
“珀じゃなきゃ、やだよ”
長年の珀の片思いは終止符を打った。はれて、付き合い始めた2人。初めは珀にイライラしたこともあった。言ってほしかった言葉を、簡単にもらってしまうんだから。でも、珀のいいところを知っている俺は、少し経てば2人を認められるようになった。
子供はつくらないと決めたそうだった。多分、これは珀がゆずきを思っていったもの。子供をつくってしまえば、次に誓に会ったとき、簡単に会えなくなってしまうから。こう思ったんだろう。本当にいいやつなのだ。
毎月16日に星ヶ海に行くという約束。結婚してしまったら、もう無理なのだと思った。だが、珀は行ってこればいい、と優しく言ったのだ。そんな珀のおかげで、俺とゆずきは星ヶ海で会うことが出来た。と言っても、俺は見えてるが、ゆずきは見えていない。それでも、ゆずきは来てくれたのだ。本当に嬉しかった。
そんな2人の結婚生活を俺は見守り続けた。だが、2人は年老いていき、珀が死んでしまった。ゆずきは、泣いた。泣いて泣いて泣いた。それでも、ゆずきは生き続けた。
そんなゆずきも、ここ最近、死んでしまった。スクリーンが綺麗になくなったのだ。モカは俯きながら、亡くなられました、と告げた。
“好きだけど、好きなんだけどね、珀。まだ、誓から離れられないの。こんな私は馬鹿なのかなぁ……。”
と。それを素直に伝えたらいいのによ。と思っていたら、ゆずきは翌日、珀を呼び出した。そして、自分の素直な思いを伝えたのだ。珀はなんていうだろうか……。当事者じゃないくせに、バクバクしていく心臓。珀からの返事はオッケーだった。
“うん。誓を好きでいようと、構わないよ。俺を好きでいてくれるのなら、全然。……こんな俺を、彼氏にしてもいいんですか?”
“珀じゃなきゃ、やだよ”
長年の珀の片思いは終止符を打った。はれて、付き合い始めた2人。初めは珀にイライラしたこともあった。言ってほしかった言葉を、簡単にもらってしまうんだから。でも、珀のいいところを知っている俺は、少し経てば2人を認められるようになった。
子供はつくらないと決めたそうだった。多分、これは珀がゆずきを思っていったもの。子供をつくってしまえば、次に誓に会ったとき、簡単に会えなくなってしまうから。こう思ったんだろう。本当にいいやつなのだ。
毎月16日に星ヶ海に行くという約束。結婚してしまったら、もう無理なのだと思った。だが、珀は行ってこればいい、と優しく言ったのだ。そんな珀のおかげで、俺とゆずきは星ヶ海で会うことが出来た。と言っても、俺は見えてるが、ゆずきは見えていない。それでも、ゆずきは来てくれたのだ。本当に嬉しかった。
そんな2人の結婚生活を俺は見守り続けた。だが、2人は年老いていき、珀が死んでしまった。ゆずきは、泣いた。泣いて泣いて泣いた。それでも、ゆずきは生き続けた。
そんなゆずきも、ここ最近、死んでしまった。スクリーンが綺麗になくなったのだ。モカは俯きながら、亡くなられました、と告げた。