最期の時間を君と共に
「ゆずき、おま……」

驚きが隠せない。なんで?なんでゆずきは高2の頃の姿なのだ?なぜ?

「誓様、ゆずき様は先程この世界に来られました。そして、未練に挑むことにしたのです」

未練……?こいつの、未練?

「未練が、高校2年生の姿で――」

「だめ。モカちゃん、そこからは言っちゃダメなゾーンだよ」

メッ、と可愛らしく口元に人差し指を当てている。モカはふにゃりと顔を崩し、笑った。

「そうですね。では……っと、ゆずき様、未練が果たされますと、その場で元の姿に戻るだけですので」

「わかりました!」

ゆずきは元気よく返事をした。変わらないな、ゆずきは。
ゆずき、と俺の口から出るところで抱き着かれた。愛おしいゆずきの匂い。

「誓。誓……、会いたかったよ、ずっと」

「……俺も」

見ているだけじゃ、物足りなかった。こうやって、ゆずきに触れたかった。

「……誓」

ゆずきが離れる。もっと触れていたかったのに。

「誓だけ言い残していくなんて、ずるいよね」

「は?」

いきなり、突拍子もないことを言うから思わず、は、が飛び出てしまった。でも、ゆずきは気にした様子もなく続ける。

「……私も言いたかったんだから」

「――愛してる」

また、ゆずきは俺に抱きついた――。




END
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