最期の時間を君と共に
「お互い感謝してるって、可笑しくて笑っちゃう」

「笑いすぎだ、お前」

だって、笑いをとめたくないの。可笑しくて笑ってる、ってのもあるけどね、笑わなかったら泣いちゃうから。だから、笑ってるんだよ。声が、笑いが、枯れてしまっても。

「次どっち曲がるんだー?」

「えっとね……右かな」

「分かった」

私は、空を見上げながら歩いていく。涙がこぼれないように――……。
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