最期の時間を君と共に


「次、右に曲がったらすぐだよ」

「だろうな。すげぇ冷たい風がくる」

私たちはクタクタになりながら、歩いている。だいぶ、歩いた気がする。途中、珍しい鳥を見つけては写真を撮り。気持ちよさそうに寝ている猫がいれば、隣に座ってみたり。他にも色々発見しながら、ここまで歩いてきた。

「……っうわ」

「……っ」

右に曲がると、すぐにあらわれた。夕日が海に沈んでゆくとき。これが“夕焼け”というのか。茜色に染まった空に、蜜柑色の太陽。海はブルーではなく、オレンジになっていた。空の色、太陽の色がうつっているのだ。とても、綺麗だ――……。
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