最期の時間を君と共に
「よし、行きましょ。なるべく手短に頼むわよ?寒いのはいやよ……」

「うん!」

お母さんの手を連れて、家を出る。誓は……と、探していると、家のポストにもたれかかっていた。

「誓、お待たせ」

「ああ、さんきゅ。こんばんは、サユリさん」

「……へ?……誓、くん?誓、くんなの……?」

お母さんは、これでもかってくらい瞬きを繰り返している。

「話はあとでしますね。家に入りましょう」

誓はインターホンを押さずに、ドアに手を掛けた。閉まってるんじゃ、と言おうとしたが、もうドアを開けていた。
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