最期の時間を君と共に
小さな女の子がやってきた。ツインテールにして、リボンでくくられている。クリクリっとした目が、私を捉えた。

「待ちなさい……っ!もう、車に轢かれでもしたらどうするの!」

「ごめんなさい……」

母親らしき人が現れた。いや、母親で間違いないだろう。目と鼻がそっくりだ。綺麗な人だ。

「おねーちゃーん!次、滑らせて!」

下から元気な声が。私はニッコリ笑って返事をした。別に滑りたくてここにいたわけじゃない。この、澄んだ空と少しでも近くにいたいと思ったのだ。

「はい、どうぞ」

「ありがとう!」
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