最期の時間を君と共に
「んーっ、すごいなぁ」

車1つ分なら、ギリギリ通れそうな道路。坂道になっていて、端に木が植えられている。桜の木だ。初めてここに来た時が、去年の11月頃。花は散りかけ、あまり綺麗だと言える感じじゃなかった。でも、次に来た時は素直に綺麗と言える満開の桜。すごい綺麗だった。

「またみせてね、綺麗な桜」

そっと木に触れて、目を閉じた。またみたい、満開の桜。

「にしても、暇だなぁ」

帰り道、ひとりでに呟く。お昼ご飯どうしようかなぁ。いつものように私は1人。

「あれ……?」

私の前を走っている人がいる。見覚えのある背中。誓じゃ……?
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