最期の時間を君と共に
「ここ?」

「そ。俺のおすすめの店。1度は連れてきたかったんだ」

誓のおすすめの店にやってきた。お世辞にも綺麗とは言えない。看板は斜めに向いてぼろぼろ。ここの店がおすすめだなんて、意外にもほどがある。

「さ、入るぞ」

「ま、待ってよ。閉まってるみたいだよ?」

そう、ドアのところに掛けられた“close”の文字。なのに、誓は入っていこうとするもんだから慌ててとめる。

「いいんだよ。前に、テンチョから許可得たから」

「でも、鍵……」

「どうせ、テンチョのことだし開けっ放しだろ」
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