最期の時間を君と共に
「美味しかったぁ……」

「ふっ、だろ?……あそこな、ずっと通ってたんだ」

公園に行く途中。誓は弱い声で喋りはじめた。

「……2人の様子みてたら、すぐ分かったよ」

明るく言おうとしたのに、私までつられて弱くなってしまった。私の馬鹿。

「……そうか。テンチョがさ、連れてったんだよ、あの店に。いい店があるってね」

「そうなの?誓から行ったわけじゃないんだ?」

「そ。テンチョは初めから優しかった……」

そういって誓は、優しい目をした――。
< 97 / 281 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop