最期の時間を君と共に

テンチョと俺 ―誓side―

その日はどうしても家に帰りたくない日だった――。

雨が降り続いてる中、俺は傘もささず、カッパも着ないでベンチに座って俯いて。

「俺、なにやってるんだろ……」

はぁ、と1つため息をつく。今日はゆずきの誕生日。なのに、ゆずきを悲しませてしまった。せっかく彼女のためにパーティーを開いたってのに、最悪だ。どんな顔をして俺は会えばいいんだ……?あんなに愛おしそうに見ていた。ごめんなさい、で済む問題じゃないのは分かってる。分かってるけど……。あんな高価なもの、すぐ買って渡せるもんじゃない。万単位の物、どうすれば……。

「おい、君、風邪ひくぞ」

急に誰かに声をかけられた。年上であることは間違いない。
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