1ページの物語。
-2文字の愛情-



「私のこと好き?」と聞くと貴方はいつも「うん」としか応えてくれなかった。


貴方の態度とその言葉がすごい嫌いだった。

「好き」も「うん」も同じ2文字。


なのに貴方は私が求める2文字を言ってはくれない。


「別れよう」と意地を張った言葉も「うん」としか返してくれなかった貴方。



その2文字は「付き合って」の返事でもあった言葉。



時期が違うとこんなにも悲しくなる言葉。



今、私の隣には「好き?」と聞くと「大好き」と返してくれるとても優しい人がいます。



けれど、「うん」と顔を真っ赤にして恥ずかしそうに応えてくれた貴方もきっととても不器用で

貴方なりの愛情表現だったんだよね。


そんな心の優しい恥ずかしがり屋な貴方をちゃんと見ることができなかった私も悪かったんだよね。


貴方は今私ではない人に「うん」と顔を真っ赤にして恥ずかし気に応えてるのかな…?


そう考えたら胸が少し痛む。



【2文字の愛情】

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