1ページの物語。
-約束-
『もしもさ、30のババアになってもさ、真っ白なドレスを着れることなく、
それも左手の薬指に証さえも無かったらさ、
仕方ないから俺が貰ってやるよ。
すっげぇ豪華なレースを存分に使った綺麗なドレスとでっけぇダイヤをあしらった綺麗な指輪をやるよ。
だからずっと独りだからって寂しがらず未来を明るく考えとけよ』
『色々突っ込み所あるけど、年下のガキが何を言う』
『だから年下だからって恋愛対象から除外すんなよ!ってことだよ!』
「ふふっ、嘘つき。
不安になっちゃったじゃない」
私が真っ白なドレスを着ていなくても、
私の左手の薬指に証が存在していなくても、
貴方の薬指に証があったら意味ないじゃない。
「こんなハガキまで送って……」
《結婚しました》
「嘘つき…」
約束は3年のタイムリミットを残して破られた。
【約束】