ナナクセ探し 中学生編
中学生活最後の運動会が近づきつつあった。
参加する競技を話し合い、練習に入る。
これは毎回の事だったが、今回違っていたのは、クラスの皆が俺と川野光子をカップルと認め、二人三脚に推した事だ。
悪友の前田のおしゃべり効果はやはり凄まじいものがあって、数日後にはクラスの皆が祝福してくれていたのだ。
彼女は恥ずかしそうにしてはいたが、嫌がってはいないようだった。
初めての練習があった。
とりあえず二人の足を結んで走ってみる事にした。
グランドの片隅で俺の左足と彼女の右足をひとつに結んでいると、見ないふりをして気にしている視線を感じた。
気になるのは分かるが、そっとしておいて欲しかった。
「私、運動苦手で……。
足引っ張っちゃって、ご免なさい。」
彼女が小さい声で言う。
「大丈夫、何とかなるさ。」
とは言うものの、俺は178センチ、彼女はかなり小さい。
「身長、何センチ?」
「えっと……、154センチだったかな。」
24センチも差があるのか。
かなり、キツそうだ。
足を並べて感じたが、靴の大きさもかなり違う。
まるで、大人と子供だ。
普通は肩を組んで走るのだろうが、どこをつかめばいいのか分からない。
悩んでしまう。
転ぶと危ないので、そっと肩に手をまわしてみたら、彼女もおずおずと俺の背中に手をまわしてきた。
参加する競技を話し合い、練習に入る。
これは毎回の事だったが、今回違っていたのは、クラスの皆が俺と川野光子をカップルと認め、二人三脚に推した事だ。
悪友の前田のおしゃべり効果はやはり凄まじいものがあって、数日後にはクラスの皆が祝福してくれていたのだ。
彼女は恥ずかしそうにしてはいたが、嫌がってはいないようだった。
初めての練習があった。
とりあえず二人の足を結んで走ってみる事にした。
グランドの片隅で俺の左足と彼女の右足をひとつに結んでいると、見ないふりをして気にしている視線を感じた。
気になるのは分かるが、そっとしておいて欲しかった。
「私、運動苦手で……。
足引っ張っちゃって、ご免なさい。」
彼女が小さい声で言う。
「大丈夫、何とかなるさ。」
とは言うものの、俺は178センチ、彼女はかなり小さい。
「身長、何センチ?」
「えっと……、154センチだったかな。」
24センチも差があるのか。
かなり、キツそうだ。
足を並べて感じたが、靴の大きさもかなり違う。
まるで、大人と子供だ。
普通は肩を組んで走るのだろうが、どこをつかめばいいのか分からない。
悩んでしまう。
転ぶと危ないので、そっと肩に手をまわしてみたら、彼女もおずおずと俺の背中に手をまわしてきた。