ナナクセ探し 中学生編
「痛いだろう?」

眉をひそめて見つめる、

「触れば痛いけど、歩くのは大丈夫だから。」

こんなに華奢な足なのに、と思うと痛々しい。

じっと足首を抱えて見つめていたら、唇を押し付けたくなった。



「あ、ヒロミが来た。」

彼女のそう言う声が聞こえた。
篠田を待っていたんだった。

「あれ、まあ、ずいぷんと赤くなっちゃったわね。」

篠田が足首を見て言う。

「大丈夫だよ。見た目程痛くないの。
うさ、帰ろうか。

…………村上君?あの……足……村上くん……。」

「え?あ、悪い。」

俺はずっと彼女の足を抱えたままでいたのだ。
篠田が来なければ、今にも口付けをしようとして。


「やっだ~、何か村上君、エッチっぽい!」

篠田が、そうからかってきた。


エッチ……だよな、やっぱり。
否定できない。

「あら、本気にした?冗談よ、冗談。
さ、ミツコ、帰ろうか
じや、又ね~」

「あ、村上君、バイバイ。」

彼女が控えめに手を振って、俺の側を通り過ぎて行く。


「おう。」

さっきまでは気にしないようにしていた彼女の残り香を強く意識してしまう。

小さくて儚い感じや、意外と弾力のある柔らかさなどを思い出していた。

『エッチ、ぽい』という篠田の言葉が頭をめぐる。
エッチでどこが悪いんだ、と開き直るにはまだ時間が必要だった。
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