ナナクセ探し 中学生編
俺は中学一年生の時からテニスをやっている。
特に上手な訳ではないが、地区大会で何とか決勝に残れる位の実力はあるようだった。
松木とダブルスを組む事ご多かった。
うまがあうのだろう。


中体連が始まり、テニス漬けの毎日になっていた。

ひと試合終わって次の決勝戦前に休憩を取ろうとした時、松木が俺をつついて言った。

「おい、来てるぞ。」

観客席を見渡すと、川野と篠田がいた。
見に来てくれたんだ。

右手を挙げ合図すると、彼女も首をすくめて小さく手を振り返してくれた。

「おつかれさま。タオルどうぞ。」

マネージャーの女子が手渡してくれるのを受け取り、再び川野を見つめる。

決勝戦で勝てば、喜ぶかな。
なんて考えていると、松木とマネージャーの話し声が聞こえてきた。

「すごい、カッコ良かったですぅ。ステキでした。」

「有り難う。君たちが応援してくれているお陰だよ。」

「次も頑張って下さいね。優勝しちゃいましょう!」

「ああ、頑張るよ。」



優勝か。
高校行ってもテニスを続けるかどうかは決めてないけれど、中学最後の思い出に悪くはないな。

何となく始めたテニスだったけど、彼女に良い所を見せるのも悪くない。

そんな事を思いながら彼女をじっと見つめていたら、コーチが集合をかけてきた。

さて、行くか。
戦いはこれからだ。
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