ナナクセ探し 中学生編
俺たち四人は市民プールに遊びに来ていた。

川野も篠田も下ろし立てらしい水着を着ていた。
短パンのようなものも履いており、肌の露出が少な目なのが残念なようであり、ホッと安心したようでもあった。

俺の理性を保つのにも良かったし、他の奴らに肌を見せないで欲しいという、独占欲もあった。


プールは混んでいて、泳ぐというよりは、水に浸かって遊んだと言った方が正しいかと知れない。

昼にはプールから引きあげ、近くの公園で弁当を食べた。

何と、彼女たち二人の手作りだ。

手の込んだ高級なものはないが、彩り良く詰められていて、感激してしまった。

一体、朝何時に起きて作ったのだろうか?

レタスの切れ端ひとつ残さず平らげた。
少々無理して食べてしまったが、残すなんてとんでもない事のように思えた。


「あー、眠くなってきた。」

松木がそう言い、何と、篠田の膝に頭をのせて寝転んでしまった。

「俺たち散歩いてくるから。」

そう言い、川野の手を取って歩き出す。

くそ、見せつけやがって。

「4時にバスな。」

松木が帰りの集合を言うのが聞こえた。
俺は彼女と繋いでない方の手を軽く挙げ、合図する。


さて、どこまで散歩しようか。
そうだ、まだ、弁当のお礼を言ってなかったな。

「うまかった。」

歩きながら言うと、彼女は首を傾げた。

「弁当。サンキュ。」

「うん。」

と彼女がうなづいた。



どうして、俺はうまく話せないのだろうか。
俯きそう考えていると、気持ち良さそうな場所にベンチがあるのに気がついた。

水に浸かった後で少し疲れたし、座るとするか。
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